日本は新卒一括採用を実施している世界でも珍しい国だ。大学4年生は一斉に就職活動を開始して、夏頃には就職先が決める。秋頃から友達同士で「あいつは勝ち組だ、あいつは負け組だ」といった会話が聞こえてくる。
終身雇用で社員が守られている日本では、転職する人は海外に比べて少ないと言われているが、日本でも転職者は増えてきている。2020年のデータでは2019年の転職者数は350万人を超え、過去最多となった。

特に若い世代では10%以上が転職する傾向にあり、最初に入社した会社で一生働かなければいけないといった考えを持っている人は減ってきている。

最初に入社した会社でその後のキャリアの40%が決まる
2回転職した自分の経験では、最初に勤めた企業でその後の人生の「40%」が決まると思っている。「40%」という数字を見ると、思ったよりも低いなと思った人が多いのではないだろうか。
この「40%」という数字の根拠について説明する。
理由その1:勤めている会社と業務内容が自分の第一印象になる
1つ目は、転職活動をするときに、今勤めている企業イメージが自分の第一印象になるということ。自分の場合、大学4年の就活に失敗してしまい、やむを得ず、大学院に進学することになったのだが、この大学院の2年間で就活対策のために人が経験していないアルバイトを経験したり、卒論のテーマを就活に使えるように色々アレンジするなど、じっくりと就活のために準備する時間があったおかげで、2度目の就活では大手新聞社に内定することができた(本命のテレビ局は2度目の挑戦でも落選してしまった。)
今でこそ新聞社は「情報のデジタル化」の荒波に揉まれて厳しい状況にあるが、私が入社した2009年頃はまだスマホも普及していない時期で、当時、入社した新聞社の毎日の新聞発行部数は800万部もあり、平均年収も世間よりも高水準だった。周囲の友達からも「勝ち組」とされていたし、自分自身も勝ち組だと自惚れていたと思う。
結果的に色々と考えた結果、この新聞社を10年で退社することになるのだが、転職活動のときに感じたことは、勤めている会社の企業イメージが良くも悪くも自分の第一印象になるということだった。大手新聞社に入社していて良かった面としては、ある程度知られた企業で働いていたことで、「この人はある程度のスキルがある人だ」と最初から認めてもらえるメリットは大きかったと思う。
悪かった面としては、「この人は逃げているんじゃないか」と疑われてしまうということ。転職の面接時に必ず「どうして新聞社のような大きな会社を辞めるのですか?」と聞かれた。誰でも転職の面接では今の会社を辞める理由を聞かれると思うが、「どうして給料を下げてまでウチに来るのですか?」という質問に対して、納得してもらえる答えを出すことに予想以上に苦労した。「自分が親だったら絶対に辞めないほうがいいと忠告しますよ」と言われたこともあった。(その男性は60代近い方だったので、新聞社に対する評価が世間の水準よりも高かったようだった。)アンチ新聞社の面接官からは必要以上に圧迫面接を受けたこともあった
圧迫面接エピソードはこちら:転職でも圧迫面接はある!後で会ったら別人だった話
このように、自分が意図していない形で、相手から勤務先の企業イメージによる第一印象を持たれ、その印象が転職活動やその後のキャリアに少なからず影響してくる。
理由その2:転職先が絞られてくる
2つ目の理由は、最初の会社で担当した業務内容によって転職先が絞られてくるということ。社会人経験のない新卒採用であれば、入社してから育てるといった考え方を持っている企業が多く、あまり専門的な知識がなくても、採用してもらえることが多いが、転職活動となると、「即戦力」を期待されることが非常に多い。
多くの企業が中途採用を実施する理由は大きく2つに分けると、
・①社員が辞めてしまった人員不足分を中途採用で補いたい
・②会社として不足している部分を他社で実績を残している人を採用することで補いたい
この2つになると考えている。特に人気のある大手企業であれば、①の人員不足は新卒採用で補えるため、大手企業で中途採用を実施している場合は、②の特殊スキルを求めているケースが多い。この場合、専門的なスキルと実績が問われるため、今働いている企業の業種や職種、実績が問われることになるため、求人内容と自分のスキル・実績がマッチしない場合は、エントリーシートで落選する確率が非常に高い。そういった意味でも、転職先の窓口が、今の仕事と関連する業種、職種に絞られてくる傾向があると考えられる。
理由その3:自分の努力次第で新たな道を切り開ける
ここまでの理由によると、最初の会社でほとんどその後のキャリアが決まってしまうのではないか?と思うかもしれないが、決してそんなことはない。
3つ目の理由は社歴や学歴以外の武器を磨けば充分にアピールできるということ。
社歴や学歴が自分の第一印象に影響すると書いたが、それは大きくても半分以下、「40%」くらいであって、残りの60%を自分なりにどう表現するかが大事だと考えている。あまり知られていない中小企業に勤務していて、大手企業への転職に挑戦するときは、大企業の社員に匹敵するようなスキルや実績をアピールしないと内定を取ることは難しい。
ただ、輝かしい学歴や社歴がなくても、大手企業への転職も可能だと思う。実際、聞いたこともない会社から大手企業に転職してきた先輩や後輩も見てきた。
中小企業から大手企業への転職に成功した人達に共通していることは
・これまで自分に与えられた環境に向き合ってしっかり結果を出してきた
・今回の転職をする理由(自分が得たいもの)などが志望動機から読み取れる
といった点だった。今、与えられている環境の中で努力して、次のステップアップのために必要なものを整理し、ステップアップする意欲が相手に伝われば、学歴や社歴がなくても。次のステップに進める可能性は十分にあることをこれまで一緒に仕事をした人たちから学んできた。
まとめ~最初の就活に失敗しても挽回は可能
転職活動において、社歴や学歴に自信がある人は、第一印象の「40%」をうまく活用して残りの60%もアピールできるといいと思うし、社歴や学歴に自信がない人は今の環境で磨いたスキルや実績をアピールして「60%」を光らせるようにして残りの40%をカバーできるようにするといいと思う。
最初の就職に失敗してしまっても、目の前の仕事に向き合って、なりたい自分に必要な実績とスキルを積んでいけば、本当に働きたい会社に就職することも夢ではないと思う。
一度は諦めたテレビ局で働く夢を、35歳になって実現できた。就活に失敗してしまった方も、諦めずに挑戦してほしい。
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